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【石見神楽】新型コロナウイルスの早期収束を願って 特別映像

【石見神楽】新型コロナウイルスの早期収束を願って 特別映像

石見神楽に古来より伝えられている演目「鍾馗」は、病魔退散の演目として石見地方各地で行われる秋祭りで必ず奉納されてきた格式ある演目。石見観光振興協議会では新型コロナウイルスの早期収束を願い、特別映像を撮影しました。石見神楽発祥の地としてこの演目を動画にし、皆様に公開いたします。

新型コロナウイルス早期収束を願って

石見神楽「鍾馗」ダイジェスト

3月27日収録 浜田市三宮神社にて 協力:西村神楽社中


 大都市を始め、日本全国・世界各国に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス。この影響によりお祭り事として演じ舞われる石見神楽も公演・奉納の中止が続いています。石見地域でも沢山のお客様の前で演じられていた石見神楽の勇壮な舞いを見ることも、哀愁溢れる笛の音を聞くことのできない状況でした。


 しかし落ち着いて石見神楽30演目を見返す中で、まさに今の状況、病魔退散を願う演目がある事に気づき、改めて昔の人達から受け継がれる伝統と知恵の深さを知り、今、この時に演目「鍾馗」を紹介することといたしました。病魔の早期収束を願い特別奉納されたこの動画が、皆様の支えとなりますよう、心より祈らせていただきます。

Praying for a quick end to the novel
coronavirus pandemic.

Iwami Kagura Performance “Shoki”

人々の願いを支える舞い「鍾馗」

低い所作の疫神を探る鍾馗(山ノ内神楽団)
茅の輪を掲げ舞う(石見神楽長澤社中)
神殿に拝みをつける鍾馗(都治神楽社中)
疫神を勇ましく待ち受ける(谷住郷神楽社中)
気配を感じ間を詰める鍾馗(津田神楽社中)
疫神と対峙する鍾馗(日脚神代神楽社中)
茅の輪で捕らえる鍾馗(丸茂神楽社中)
全身全霊を込める鍾馗(長福千原座神楽社中)
首をとり、国家安泰を祈願(有福神楽保持者会)
面を外し、喜びの舞を舞う(河内奏楽中)

 健やかを願う五月人形の魔除けとして全国に知られ、石見神楽で大切に保持、伝えられてきた演目「鍾馗(鐘馗とも書く)」は、古くより石見神楽団体の代表者または、それに相当する熟練者でないと舞うことの出来ない格調ある舞で、袖を通す衣裳も各団体の持つ最高の衣裳を身につける、かつては八岐大蛇を凌ぐ、石見神楽の代表花形演目として演じられてきました。

 この演目の筋として、中国唐の国、玄宗皇帝が病に伏していた時に、病魔退治に現れた神とされていますが、逸話によると、この鍾馗はスサノオノミコトが出雲国で大蛇退治をした後、中国に渡り鍾馗となったという云われもあり、石見神楽の原型である六調子神楽ではそれが顕著に表れていることから、日本神話の流れとして人々に愛されてきた事が分かります。

 この舞いを現代に訳すなら、茅の輪は「顕微鏡」、剣は「注射」すなわち、鍾馗はお医者様または医療研究者ということになります。国内そして、全世界の方が大切な人を亡くし、収まらないウイルスに脅かされいる現状、気持ちの支えとして、ここに配信掲載いたします。コロナウイルス克服後の世界中の皆様の弥栄(いやさか)を願って。

石見神楽とは
賑やかで哀愁漂うお囃子の中で、豪華絢爛な衣裳を身にまとい演…
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鍾馗(しょうき)
中国、玄宗皇帝の逸話を神楽化されたもので、石見神楽の中でも…
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