
1370年の歴史ある有福温泉で、日帰り温泉と石見神楽を堪能する旅
1370年以上の歴史がある温泉郷『有福温泉』で、日帰り温泉や茶屋などを巡り、晩は迫力ある石見の伝統芸能『石見神楽』を堪能。ゆっくり、ゆったりと有福を楽しむ旅をご紹介します。(2021年6月19日取材)
丘の上のレトロな公衆浴場│御前湯










丘の斜面に沿ってお宿が立ち並んだ温泉郷の中で、高手から見下ろすように建つ『御前湯』は、威風堂々としたレンガ造りのレトロな外観! 建物の前に立つと、大正時代にタイムスリップしたかのような気分になれます。
中に足を踏み入れると、電話ボックスのような木製の番台があり、吹き抜けの階段や、アーチ型の窓、レトロな照明などがとてもモダンな空気を醸し出しています。
そして何といっても浴室が広くてとっても綺麗。ブルーの湯舟には源泉(加水、加温なしのありのままの湯)が湧き流れており、湯加減もちょうどよくさっぱり・しっとり感のあるお湯で、美肌効果もありそう。湯船が深いので、じっくりと肩まで浸かりお湯を味わうことができます。(昼間は窓からの明るい日差しも良い感じ♪)
2階に上がると休憩スペースや自販機があり、ゆっくり寛げます。昔の有福温泉の写真パネルも沢山展示してあり、職員さんに声をかければ、色々と温泉の歴史や秘話を教えてもらえるかも!? ぜひ訪れてみてください。
- 有福温泉 御前湯
- 大正ロマンに浸りながら、1370年の名湯につかる
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親子で楽しめる家族風呂
御前湯では家族風呂も楽しめます。親子や夫婦などで他の人の目を気にせず楽しみたい方にオススメ! ライオンの口からお湯が出て、子どもも喜びそう。有福の名湯を家族でまったりと堪能してみては。
有福定番の公衆浴場│さつき湯・やよい湯










【さつき湯】
温泉郷の入口にある公衆浴場で、一番に目に留まる場所にあります。駐車場からも歩いてすぐ。木造の平屋がいい感じ。番台や更衣室も昔ながらの造りで、番台の方や常連さんの笑い声が響きます。湯舟からはキラキラと日差しを反射したお湯がもったいないくらい浴槽から溢れ出し、湯量の豊富さを物語ります。
【やよい湯】
紹介した3つの公衆浴場は源泉がそれぞれ異なり、3様の湯触りを楽しむ事ができるそう(案内人佐々木さん談)。やよい湯は身体を芯から温めることで人気もあり、日常的に利用される常連さんが多いそうです。素朴な雰囲気の外観ですが、中に入ってビックリ! 1階から階段をおりた地下?に浴室があり、その作りにとても興味をそそられます。『秘密の秘湯』の様な雰囲気のお風呂をぜひご堪能ください。
古くて新しい茶屋│茶々よしのや










御前湯からさらに奥に入ると、旅館『ありふくよしだや』があり、その女将さんが出されている茶屋『茶々よしのや』が、旅館のさらに奥の小道にあります。
古くからある古民家を活用したお店は、縁側から吹く気持ちの良い風になびくのれんが印象的で、とってもいい感じ♪ 一歩中に足を踏み入れると昭和初期の古き良き空間が懐かしさを彷彿させます。テーブルや椅子もレトロチック! 温泉の後お茶を飲んだりゆっくりと過ごすのにとても良いし、このお店を目的にお出かけするのもアリです。
ぜんざいやお抹茶セットの甘味から、お食事・お酒も楽しめます(夏はかき氷も☆)。新商品開発も学生や関係者の皆さんとセッションし、生み出されていて、古民家カフェながら、バイタリティーあふれるお店で、今後の展開にも目が離せません。(建物に沿うようにある石畳の小道は、生えている苔がとってもよい風情を醸し出し、『百年小径』と名付けてもよいような景観。カメラマンも思わず迷い込んでくる!? 魅力的な場所です。)
- 茶々よしのや
- ゆったりと過ごしたい温泉情緒漂う古民家カフェ
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有福の近くでお食事│ごはん家おおえ
山間にある有福温泉から車を10分走らせると、何と日本海に出ます!(こんな近い距離にあるとは !!) 海風が気持ちの良い場所にある「ごはん家おおえ」でディナー。
注文したのは「海鮮丼(写真)」と「おすすめ定食」。共に日本海の幸たっぷりで、とても美味しい!
お店では、丼物や定食、麺類からお酒まで豊富なメニューが。初めて訪れる方も、常連さんも気軽に美味しく楽しめる、オススメのお店です☆
先人の心をつなぐ銘菓│善太郎餅










有福の地に伝わる『妙好人 善太郎』の逸話を今に伝える銘菓。『有福の善太郎さん』として親しまれ、門徒であった『浄光寺(江津市千田町)』や、彼が一生を捧げた『光現寺(浜田市下有福町)』などゆかりの地を訪ねる県内外の方達に人気のお店です。
一口サイズのよもぎ香る上品な味わいの善太郎餅は『草餅説法』から広まった銘菓です。善太郎さんの尊い語り草にあやかって、有福の山野に自生する香り高いよもぎを精選して作られています。
店内はレトロなレジスター?や、古時計など、和の骨董品などがとても趣があり、その中でお茶と共に善太郎餅を楽しむこともできます。3代目店主の熱いお話も聞けるかも!? 温泉郷の川のほとりに建つ風情あふれるお店で、大きく看板も出ていて分かりやすいので、ぜひお立ち寄りください。
- 善太郎餅本店
- 上品なよもぎ香る有福銘菓
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インパクトたっぷり!有福大仏
山の高台に建つ赤いお堂には、有福の町を見下ろすように、優しい目をした大仏様が鎮座しています。高さは3メートルほどあり、訪れた人は思い思いにあったことなどをノートに書き記していました。束の間の休憩、担当もほっと一息。大仏様の前だと不思議と心が洗われるようでした。(善太郎餅から川沿いにさらに奥へ歩くと、案内看板があります。)
人気の石見神楽を鑑賞!│湯の町神楽殿






さて、こうして過ごしている間に日が暮れてゆき、明かりの灯り始める湯の町神楽殿へとやってきました。ここでは、月2回、石見神楽公演が行われ、神社での神楽奉納さながらの臨場感あふれる石見神楽を見ることができます。毎回「大蛇」は必ず演じられ、神話の世界にひとときの間タイムスリップすることができます。
御前湯などの公衆浴場を巡った後、または宿泊宿から、大迫力の島根の伝統芸能を堪能することができます。神楽上演をされるのは『有福温泉神楽団』の皆さん。当神楽殿で37年の間様々な変遷を経ながら、観光客の皆様へ石見神楽公演をされています。
有福温泉神楽団 団長インタビュー[MOVIE]
湯の町神楽殿での定期公演を始めて37年以上、有福温泉神楽団 団長 伊藤康則さまへのインタビュー動画です。有福への思い、石見神楽への思いを熱く語っていただきました。
- 有福温泉 湯の町神楽殿 石見神楽定期公演
- 大蛇の尾が飛んできそうな勢いの臨場感!!
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湯の町神楽殿のコロナ対策
コロナ感染対策として、入館時には体温チェック・マスク着用・消毒を徹底。舞台と客席の間には飛沫防止ビニールが設置され、奏楽の皆さんもフェイスシールドをして感染予防に取り組んでいます。(上演途中には換気タイムも)
入館者数も限定され、安心して鑑賞することができます。
神が舞う!鬼がうなる!!│塵輪










胸が高鳴る中、いよいよ『塵輪』がスタート。目の前に迫る程の距離で神様が2人登場し、しなやかな舞いが繰り広げられました。
第14代の天皇、帯中津日子(仲哀天皇)が家来の高麻呂を従え、翼を持ち黒雲に乗って日本を攻め入る、異国の大将軍 塵輪を退治するという演目。
鬼2匹の舞いは大迫力で、独特のリズムの中でじっくりと腰を落とし、観客を睨み付けます。迫り来る恐怖に担当達も“絶体絶命!? ”と思った時に、面を外した神様2人が登場し、勇ましく、凜々しく鬼と立ち向かい、激戦の末退治! 瞬く間にわたし達(観客)にとってのヒーローとなりました。
4人が交差する合戦の場面は迫力満点で、“神楽殿が壊れてしまう!? ”くらいの勢い! 担当達も胸が熱くなりましたよ!!
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石見神楽グッズも販売!
塵輪終了後、感染予防の換気をしながら、団長さんがグッズの紹介もしてくださいました♪
疫病退散のミニ茅の輪をはじめ、有福温泉オリジナルタオルやちょうちんなど、ここでしか手に入らないものばかり! 旅の思い出に、ぜひお求めください。(石見神楽のDVDもあるので感動と余韻を持ち帰りできますよ!)
島根を代表する演目│大蛇










有福温泉神楽団の十八番!「大蛇」が始まりました。須佐之男命(すさのおのみこと)が、怪物八岐大蛇に立ち向かう、とても有名な日本神話の一幕。
神楽団さんのこだわりである、「姫とり」シーンから始まり、みるみる飲み込まれていきました。大蛇の動きがとてもリアルで、目が合うと逃げ出したくなるくらいの恐ろしさ。2頭の大蛇の迫力のパフォーマンスの後、勇ましい須佐之男命が登場し大蛇と大格闘の末、退治しました。
恐ろしい大蛇、姫をとられ嘆き悲しむ夫婦、英雄 須佐之男命と、この演目の中には様々なドラマが含まれていて、感動すること間違いなし! 有福温泉の夜に必見の演目です !!
- 大蛇(おろち)
- 古代神話の英雄、須佐之男命(すさのおのみこと)の八岐大蛇退…
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湯の町神楽殿 石見神楽公演[MOVIE]
最後に、有福温泉 湯の町神楽殿の石見神楽を凝縮したムービーをお届けします。有福温泉神楽団 舞子 梶原祐樹さんの想いと、団長 伊藤康則さんの締めくくりの言葉を収録。ぜひご覧ください。