石見神楽とは

石見神楽とは

賑やかで哀愁漂うお囃子の中で、豪華絢爛な衣裳を身にまとい演舞される石見神楽は、古来より石見地方に伝わる伝統芸能で、日本国内はもちろん、海外でも大きく評価をされています。2019年5月には日本遺産にも登録されました。

人々を魅了する伝統芸能「石見神楽」

石見神楽定期公演での様子
凜々しい姫の神楽「十羅」
子ども達が大喜び「恵比須」
迫力の4人舞い「塵輪」
弁慶・牛若丸を題材にした創作演目
石見神楽の花形「鍾馗」
鬼を許して正しい道に返す「道返し」
強い鬼を3人懸かり退治する、長編演目「大江山」
石西地区特有の神楽面で舞われる「五神」
平安時代の妖怪を源頼政が退治する「頼政」

日本神話を題材に、独特の哀愁あふれる笛の音、活気溢れる太鼓囃子に合わせて、金糸銀糸を織り込んだ豪華絢爛な衣裳と表情豊かな面を身につけて舞う石見神楽は、島根県西部の石見(いわみ)地方に古くから伝わる伝統芸能です。昔より地域の娯楽として秋祭り例祭の前夜祭として演じられてきましたが、現在では年間を通じて石見各地で石見神楽を観ることができるようになりました。

その演目は、厳かな雰囲気の中で神様をお迎えする「儀式舞」や古事記や日本書紀を題材にした「能舞」など合わせて約30種類にのぼり、受け継ぐ団体は現在130を超えるほどあります。

石見神楽は、大蛇が火や煙を吹くといったリアルな演出や勧善懲悪といった分かりやすいストーリーが特徴で、初めて観る人にも明快で、自然と目の前で繰り広げられる神話の世界に誘われます。

神楽の根付く地、島根県西部石見地方で、ぜひ迫真の舞を体感してください。

石見神楽の代表演目「大蛇」【動画】

石見神楽のルーツ(六調子と八調子)

神々に祈りを捧げる「六調子神楽」
神事と一体となり囃される舞い「六調子神楽」
じっくりと腰を落としゆったりと舞われる「六調子神楽」
リアリティあふれる表現「八調子神楽」
花火などの演出の多彩な「八調子神楽」
激しい立ち回りが特徴的な「八調子神楽」

明治政府から神職の演舞が禁止されたことにより、神楽は神職から氏子(民間)に受け継がれました。 その中で神楽改正の影響を受けたものが「八調子」、影響を受けなかったものが「六調子」と呼ばれています。

八調子神楽は早いテンポでスピード感があり、現在では多くの団体が受け継いでいます。 六調子神楽は農作業での動作が「型」となっており、腰を落としゆっくりと重厚に舞うのが特徴で、石見神楽の原型として大元神楽ともいわれ、文化的に大変貴重なものです。

「原型」と「進化」、2つのベクトルを持つ石見神楽は、初心者には間口が広く、通にとっては奥の深い、探求心の絶えない伝統芸能です。

石見神楽を支える技(神楽産業)

石見神楽面の制作風景「柿田勝郎面工房」
ずらりと並ぶ石見神楽面「柿田勝郎面工房」
レイアウトを基に生地に針を通す「細川衣裳店」
完成した衣裳「細川衣裳店」
石州和紙の蛇胴に彩色を施す「植田蛇胴製作所」
仕上がった蛇胴「大蛇」

重厚感漂う金糸銀糸の豪華絢爛な衣裳、表情豊かな張り子技術を活用した神楽面、提灯をヒントに開発された大蛇蛇胴。これらは石州和紙が使用され、石見の地の職人が優れた伝統工芸として昇華させ、石見のみならず、県内外の神楽を支える産業として根付いています。

どんな人達がやってるの?

神社での練習風景「後野神楽社中」
上演のための準備もすべて舞子がおこなう「後野神楽社中」
楽屋では出演者同士で着付けなどを手伝う「後野神楽社中」

石見神楽の舞子は、まさしく石見に仕事を持ち石見に暮らす人々。 神楽を見て育った石見の子どもたちにとって、舞子である父や近所の人々は、秋祭りでの神楽舞台では憧れの存在に。 代々親子で神楽を舞う家庭や、「神楽が自分の人生そのもの」と語る人、それを支える地域の人々。 石見地方に住む人々にとって、石見神楽は日常生活の一部となり、脈々と受け継がれている全国でも希な伝統芸能です。

石見神楽コンテンツ

Webで石見神楽のあれこれを分かりやすいコンテンツにまとめています。ぜひ神楽鑑賞のガイドにお役立てください。

演目紹介

石見神楽の主要16演目を動画やマンガ付きで解説。

上演の種類

石見神楽は相撲と同じく神事のひとつ。上演にも様々な種類があります。

Q&A

ルーツや鑑賞の仕方など、石見神楽のあれこれをQ&Aでまとめました。

団体紹介

石見地域に130以上もある石見神楽団体を市町村別にリストアップ。

石見神楽を見る

石見神楽の上演予定を掲載しています。ここをチェックしていざ鑑賞へ。

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